どうする Red Hat Linux サーバ


Red Hat が方針転換

Linux ディストリビュータである Red Hat は、市販のパッケージ版の販売の他に、無償ダウンロード配布を行なっていたが、今後は有償版である Red Hat Enterprise Linux のみの提供に方針転換した。これにより、今まで Red Hat Linux をサーバ運用に使用していたユーザは、Red Hat Enterprise Linux あるいは他のディストリビューションへの移行を迫られることになった。しかしながら、使い慣れた Red Hat Linux の次に、どのディストリビューションを選んでよいのか悩むところだ。Errata(アップデートパッケージ)がリリースされる期限は表1の通りであり、Red Hat Linux 9 にアップグレードしても 2004年4月30日 以降は Errata が提供されなくなる。

表1.Red Hat Linux のアップデート期限の表
Red Hat Linux 9 (Shrike) (終了) 2004年 4月30日
Red Hat Linux 8.0 (Psyche) (終了) 2003年12月31日
Red Hat Linux 7.3 (Valhalla) (終了) 2003年12月31日

既に Red Hat Linux の後継とも言える Fedora Core がリリースされているが、Fedora Core は 4〜6ヶ月のサイクルで更新され、サポートも次バージョンリリース後 2〜3ヶ月で打ち切られるポリシーになっている。つまり、6〜9ヶ月でアップデートを行わないとシステムが維持できないことになる。このことは安定運用を求められるサーバ運用に適していると言い難いといえる。

そこで本ドキュメントでは、Red Hat Enterprise Linux に移行すべきか、Fedora Core に移行すべきか、あるいはそれ以外のディストリビューションに移行すべきか、様々な条件に照らし合わせながら、最適なソリューションを探ってみたいと思う。

移行を検討するディストリビューション

数年前の Linux ブームの頃にディストリビューションが乱立していた状況に比べ、選択肢となる主流ディストリビューションはさほど多くない。本記事では Red Hat Linux の移行先として、サーバ用途に的を絞り、特に無償かどうかにはこだわらないこととする。

  • Red Hat Enterprise Linux

    Red Hat はビジネス上の理由から、全てのユーザが Red Hat Enterprise Linux に移行することを望んでいるだろう。
    開発会社が同じであるため、移行にあたり一番問題が少ないと思われたが、実はそうでもなかったりする。その理由は後述する。
    Red Hat が公開している Red Hat Enterprise Linux と Fedora Project の比較表も参照して欲しい。
    製品かプロジェクトか?


  • Fedora Core

    年に3〜4回のバージョンアップが予定されており、安定的なサーバ運用には向かないと思われる。しかし、2世代前までのパッチリリースは行うようなので、1世代のリリースで1年近くは運用できるだろう。

  • Debian

    セキュリティパッチの対応の早さは評価できる。安定版 (stable) においてはサーバの安定運用には一番向いていると思われる。反面、新しい機能を適宜に取り込みたいユーザーには向かないかもしれない。企業によるサポートとしては、YR LinuxHypercoreがある。また、Debian互換OSを提供しているオモイカネ社の ARMA もある。

  • Turbo Linux

    アジア市場に強いディストリビューション。Turbo Linux 7 Server 以降のバージョンでは5年間はサポートサービス期間を設けている。livedoor に身売りしたばかり。

  • Miracle LINUX

    サーバ向けに特化しているディストリビューション。バージョンアップポリシーも3年と長めなのは評価できる。

  • Vine Linux

    いち早く完全な日本語対応に取り組んできたディストリビューション。Red Hat のバージョンアップに伴い、影が薄くなってきているが、密かな人気もある。

  • Gentoo Linux

     最近、マニアに注目されている新進ディストリビューション。FreeBSD の ports によるパッケージ管理に似た Portage と呼ばれる先進的なパッケージ管理システムを持つ。

  • Red Hat のサポート切れになった Red Hat Linux を使い続ける

     セキュリティパッチが提供され続けるのであれば、あえてコストのかかる移行を選ばなくてもよいはずだ。インストールや移行のコストだけでなく、運用管理コストも意識したい。テンアートニやクララオンラインなどのサードパーティの有償サポートを利用する方法と、Fedora Legacy などのコミュニティベースのプロジェクトからのアップデータを利用する方法がある。



これらのディストリビューションの比較を表2にまとめた。

表2.
ディストリビューション
カーネルバージョン
価格
バージョンアップ間隔 アップデート手段
アップデート提供期間
Red Hat Enterprise Linux 32.4.20AS:198,000円、ES: 99,800円12-18ヶ月rpm5年間
Fedora Core 12.4.22Free4-6ヶ月rpm2-3ヶ月
DebianFreedeb
turbolinux 8 Server2.4.20\39,800 rpm5年間(バージョンによって差異あり)
MIRACLE LINUX V2.12.4.9(RHL7.1ベース)\60,000 rpm基本期限 2005/07/30
Vine Linux 2.62.4.20Free(製品版もあり) rpm 
Gentoo Linux2.4.20Free年4回Portage 

移行は面倒

最近の Linux 雑誌でも乗り換え検討の記事が多くあるが、移行の手間に触れられている記事は無かった。既に運用しているサーバに、新しいOSをクリアインストールし、元のアプリケーションが動作していた環境に完全に戻すのは非常に手間のかかる作業だ。しかしアップグレードインストールもしくはこれに変わるインストール手段があれば、既存の環境を残したまま移行が可能になる。そういった観点で考えると Fedora Core 1 のみがアップグレードインストールに対応している。Fedora は、Red Hat Linux 9 からアップグレードインストールができることを確認している。それ以前のバージョンについては未確認だ。

意外だったのだが、Red Hat Enterprise Linux は、Red Hat Linux からのアップグレードインストールは用意されていない。おそらくパッケージ構成が違い過ぎるためだろう。しかし移行を促すベンダー自身から、何らかの移行手段が用意されていないのは不親切だ。
Miracle Linux 2.0 には、RHL6.2 からの移行パスがあったが、それ以降のバージョンでは無いようだ。

旧バージョンを使い続ける選択も可能に

Red Hat Linux が、コミュニティベースの Fedora Project に移管した後、それをフォローするさまざまな動きがあった。

Fedora Legacy プロジェクトでは現時点で、Red Hat Linux 7.2、Red Hat Linux 7.3、Red Hat Linux 8.0の更新パッケージをリリースしている。apt-get や yum が使えるようだ。例えば、Red Hat Linux 7.3 で Fedora Legacy の apt リポジトリを利用するには、/etc/apt/sources.list を下記のように書き替えればよい。
#rpm http://ayo.freshrpms.net redhat/7.3/i386 os updates freshrpms
#rpm-src http://ayo.freshrpms.net redhat/7.3/i386 os updates freshrpms
rpm http://download.fedoralegacy.org/apt redhat/7.3/i386 os updates legacy-utils
rpm-src http://download.fedoralegacy.org/apt redhat/7.3/i386 os updates legacy-utils

@IT:サポートが終了したRed Hat Linuxをアップデートするには(yum編)
@IT:サポートが終了したRed Hat Linuxをアップデートするには(apt編)
“レガシーRed Hat”を存続させるコミュニティー産のアップデートが登場

またサードパーティによる有償サービスもいくつかある。

移行した後の管理のし易さ

今まで Red Hat Linux を使用していたユーザであれば、慣れ親しんでいる Red Hat Linux のディレクトリ構成や Red Hat 特有のコマンドが使える Red Hat 系ディストリビューションに移行するのがベターであろう。そういった意味では Red Hat Enterprise Linux あるいは Fedora は最も親和性が高く(当然だが)、その次に Red Hat ベースである MIRACLE LINUX,Turbolinux,Vine Linuxが挙げられる。Red Hat 系以外(debian,arma,Gentoo等)は、管理者は新しい管理手法やディレクトリ構成を覚えなければならない。

総括

運用管理面まで考えると、Red Hat 系のディストリビューションを選ぶのが現実的だ。

既に動いているサーバを移行することを考えると、Fedora に移行するのが無難だろう。移行を考えるとアップグレードインストールが可能な点にアドバンテージがある。 ただ何らかのサービスを提供しているようなサーバであれば、Fedora では若干不安要素が残るので、サードパーティの有償サポートを受けるのが無難だ。ただ、いつまでサポートを受けられるのかは確認しておいた方がいい。

既存のサーバからの移行でなく新規に構築するサーバであれば、Red Hat Enterprise Linux を選びたい。Red Hat Enterpriseのサポートポリシーは、初期出荷日(General Availability)から5年間、Errataのメンテナンスを行うことになっているので、長期に渡って安心して使い続けることができる。ただし、価格面で折り合いが付けばの話ではある。

インストールの敷居も少々高いようであるし、多少の経験があるのなら Debian を検討してもよいだろう。

2004年3月27日追記
Red Hat Enterprise Linux(以下RHEL) のソースから、Red Hat の商標とロゴを削除した RHELクローンが登場している。必ずしもベンダーによるサポートが必要ないのであればこれも一考だろう。

White Box Enterprise Linux
Whitebox Linux tips

www.centos.org - The Community ENTerprise Operating System
CentOS 4.0

【Linuxウォッチ】第14回 Red Hat Enterprise Linuxのフリー版,White Box Enterprise Linuxは使えるか(IT Pro)

TaoLinux.org | The Source is with us.

Lineox


参考情報へのリンク

Fedora Project, sponsored by Red Hat
Unofficial Fedora JP Project

「Fedoraのサポート期間はRed Hat Linuxより長くなる」――Fedora JP Project リーダー重松直樹氏

apt4rpm (apt for rpm based distributions)

[freshrpms.net] - Welcome

japan.linux.com | Red Hat Professional Workstation:価格アップ、機能ダウン

ITmedia エンタープライズ:最も急成長しているLinuxディストリビューターはどの企業か?








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