玄箱を Debian 化しよう
玄箱 Debian 化手順
玄箱が標準で搭載しているOSは、組み込み用途向けのディストリビューションである Monta Vista Linux だが、これを Debian に載せかえることができる。
Debian 化すると、Debianに用意されている数々のアプリケーションを、パッケージ管理システムを使いながら容易に導入することができるようになる。それが Debian 化の最大のメリットである。
本記事では、ダウンロードしたDebianキットを玄箱上で展開して、各種設定ファイルを編集してアーカイブを作成しなおしてから、玄箱にロードするという手順にする。
玄箱うぉううぉう♪ から、debian_2005_08_21_dist.tgz (39,312,869 バイト)をダウンロードする。
配布ファイルを玄箱の共有ディレクトリにコピーする。
\\192.168.1.100\share をエクスプローラーで開いて、そこに配布ファイルをコピーする。
ここからは、telnet で玄箱にログインして作業を進める。
配布ファイルを展開する。
# cd /mnt/share
# tar xzf debian_2005_08_21_dist.tgz
# rm debian_2005_08_21_dist.tgz
Debian化キットの初期設定は、以下のようになっているので適宜変更しよう。
ユーザー : tmp-kun
パスワード : tmp-kun
ユーザー : root
パスワード : root
IPアドレス: 192.168.0.100
ネットマスク: 255.255.255.0
ゲートウェイ: 192.168.0.1
DNS : 192.168.0.1
resolv.conf を編集する。
# vi /mnt/share/etc/resolv.conf
search
nameserver 192.168.1.1
vi で開いて、使用するDNSサーバーのIPアドレスに書き換える。
hosts を編集する。
# vi /mnt/share/etc/hosts
127.0.0.1 localhost
192.168.1.100 KURO-BOX
vi で開いて、玄箱のIPアドレスで書き換える。
hosts.allow を編集する。
# vi /mnt/share/etc/hosts.allow
ALL: 192.168.1.0/255.255.255.0
ALL: 127.0.0.1
vi で開いて、inetdの管理下のサービスへの、接続を許可するIPアドレスに書き換える。
interfaces を編集する。
# vi /mnt/share/etc/network/interfaces
address 192.168.1.100
network 192.168.1.0
broadcast 192.168.1.255
gateway 192.168.1.254
vi で開いて、ネットワークインターフェースの設定を行う。
アーカイブファイルを再作成する。(HGの場合、約3分ほどで終了)
# tar cvzf /tmp/tmpimage.tgz .
# mv /tmp/tmpimage.tgz .
できあがったアーカイブファイルをWindowsへコピーする。
さてここからは、Windows側の作業に戻る。ローカルにコピーした tmpimage.tgz を右クリック→「送る」→「圧縮(zip形式)フォルダ」をクリックする。
できあがったファイル tmpimage.tgz.zip というファイル名を、玄箱のセットアップCDのものと同じ名前 image.zip に変更する。
ここまでで下準備ができた。次に玄箱をセットアッププログラムに反応させるため、EMモードに切り替える。telnet で接続し以下のコマンドを打ち込む。
# echo -n NGNG > /dev/fl3
# reboot
次の作業に入る前に、玄箱のPOWERランプが点滅から点灯に変わるまで待とう。
玄箱のサイトからファームウェアをダウンロードする。玄箱の場合は「ファームウェアアップデート Ver1.02 (2004.04.20)」kuro_102.zip 、玄箱HGは、「新規セットアップ用ファームウェアVer1.01」kurog101.zip
ダウンロードしたファイルを展開し、その中にある image.zip を、debian_2005_08_21_dist.tgz を元に作成した image.zip で置き換える。
さていよいよセットアッププログラムでアップデートを行う。
Windows のファイアウォールは無効にする。
展開したフォルダにある KuroBoxUpdate.exe を起動する。
「セットアップ開始」ボタンを押したらあとは待つだけだ。
もっと簡単な方法があるみたいなので、今度、試してみたら本記事を更新することにしよう。
玄箱 Debian 化完了!パッケージを最新の状態に更新する
telnet で接続しログインする。
ユーザIDはtmp-kun、パスワードはtmp-kunである。
suコマンドで管理者へ切り替える。
パスワードはrootである。
最新のパッケージに更新する。
まずはじめにやっておきたいのが、最新のパッケージに更新することだ。Debian では apt-get コマンドで更新することができる。update でデータベースを更新し、upgrade で既存パッケージを更新する。
# apt-get update
# apt-get upgrade
途中、設定を求められるパッケージがあるが、デフォルトで[Enter]を押して進めるのが基本。
玄箱 Debian にアプリケーションを追加する
Debian は apt-get コマンドでパッケージのインストールが可能である。
Debian 化により、なくなってしまった Samba をインストールしよう。
$ su -
# cd
# apt-get install samba
とりあえず設定は後ですることにし、Noを選択し先に進もう。
Workgroup/Domain Name?
workgroup
Use password encryption?
Yes
Modify smb.conf to use WINS settings from DHCP?
No
How do you want to run Samba?
daemons
OK
Create samba password database, /var/lib/samba/passdb.tdb?
No
Do you want to upgrade glibc now? [Y/n] Y
Do you wish to restart services? [Y/n] Y
ブラウザから Samba の設定をするために、SWATをインストールする。
SWATの場合、インストール後に inetd.conf の設定が必要である。
swat の行頭にある「#<OFF>#」を削除し有効にする。
次に inetd を再起動する。
# /etc/init.d/inetd restart
ブラウザから接続する。
http://IPアドレス:901/
認証はユーザアカウントのユーザID、パスワードで行う。
玄箱 Debian にWebサーバ Apache、PHP、MySQL、Webminを追加する。
# apt-get install apache
# apt-get install php4
# apt-get install mysql-server
# apt-get install webmin
# vi /etc/webmin/miniserv.conf
allow 127.0.0.1 192.168.1.
設定ファイルの内容を適用する。
# /etc/init.d/webmin force-reload
Webminにアクセスするには、ポート10000番を指定する。
https://192.168.1.100:10000/
# apt-get install webmin-mysql
# apt-get install webmin-apache
表示の日本語化
"Change Language and Theme" ボタンを押し、"Webmin UI language"に"Japanese (JA_JP.EUC)"を設定する。
# apt-get install php4-mysql
# apt-get install locales
# dpkg-reconfigure locales
[*] ja_JP.EUC-JP EUC-JP
OK
ja_JP.EUC-JP
OK
Apache,PHP,MySQLの設定ファイルを適宜編集する。
vi /etc/ php4/apache/php.ini
vi /etc/apache/httpd.conf
vi /etc/mysql/my.cnf
MySQLのrootユーザのパスワードを設定する。(デフォルトは無しなので)
# mysql -u root mysql
mysql> DELETE FROM user WHERE Host='localhost' AND User='';
Query OK, 1 row affected (0.14 sec)
mysql> QUIT
Bye
# mysqladmin -u root reload
# mysqladmin -u root password yourpassword
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